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IEEE Milestone賞を受賞~ニッケル内部電極を用いた積層セラミックコンデンサの商用化で産業の発展に貢献~

2024/03/08

株式会社村田製作所
代表取締役社長 中島 規巨

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株式会社村田製作所(以下、「当社」)は、ニッケル内部電極を用いた積層セラミックコンデンサ(以下、「Ni-MLCC」)を商用化し、産業の発展に貢献したとして、世界最大の電気・電子分野の国際学会IEEE*1より、「IEEE Milestone賞」を受賞しました。

*1 The Institute of Electrical and Electronics Engineers, Inc.

 


3/8 受賞式の様子:(左から)2020IEEE President福田 敏男氏、村田製作所 代表取締役社長 中島 規巨

 

IEEE Milestone賞は、電気・電子分野の画期的イノベーションのうち、開発から25 年以上経過し、また、社会や産業の発展に多大な貢献をした歴史的業績を認定するために、1983 年に創設された制度です。

 

本受賞について

MLCCが世界で初めて製品として用いられた1966年当初、MLCCの内部電極には高価な貴金属が使われており単価が高かったため、採用された用途は限定的でした。貴金属を安価な金属に代替するには、金属の酸化を避けるため、低酸素濃度で焼結できる誘電体セラミックス材料を開発しなければならないという技術的課題がありました。そこで当社は安価な金属であるニッケルを採用するとともに誘電体セラミックス材料の開発を行い、1973年に品質と低価格を兼ね備えるNi-MLCCを開発し、約8年の期間をかけて、材料の実用化と生産工程の構築を行い、1982年にNi-MLCCを量産するにいたりました。

現在では、エレクトロニクスに必要不可欠な製品として、通信機器のほか、自動車、家電製品、産業機器、医療機器など、幅広い市場に採用され、産業の発展に貢献しています。当社は、それぞれの用途に応じて、小型化、静電容量密度の向上、製造コスト削減などを追究し、年間1兆個以上のNi-MLCCを世界中のお客様に供給しています。

今回の受賞に際し、お客様やサプライヤー様をはじめステークホルダーの皆さまより多大なるご支援を賜りましたことに感謝申し上げます。当社は今後も、新たな価値提供につながるイノベーションを推進し、業界をリードする革新的な製品や技術を提供して人々の暮らしを支え、企業価値の持続的向上を目指して前進していきます。

Ni内部電極を用いた積層セラミックコンデンサ(Ni-MLCC)

Ni-MLCCの特徴

■特性
・優れた高周波特性と高密度実装性
高速動作するICの電源回路や、高周波RF回路に応えられる優れた周波数特性に加え、小型で容量密度が高く、表面実装可能であるため、携帯電話などの情報端末の高集積化や通信速度向上に貢献しています。
・高い耐電圧と信頼性
パワーエレクトロニクス分野で必要とされる耐電圧性と信頼性に優れており、カーエレクトロニクスを中心に各種電源回路に用いられています。


関連サイト
■IEEE Milestone過去受賞企業一覧(IEEE)
https://ieee-jp.org/activity/jchc/milestone_jusho.html

 

 


ムラタについて

村田製作所はセラミックスをベースとした電子部品の開発・生産・販売を行っている世界的な総合電子部品メーカーです。独自に開発、蓄積している材料開発、プロセス開発、商品設計、生産技術、それらをサポートするソフトウェアや分析・評価などの技術基盤で独創的な製品を創出し、エレクトロニクス社会の発展に貢献していきます。

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